
京都府京都文化博物館で開催されている「マリメッコ展 ―模様のちから―」へ行ってきました。
「マリメッコ展 ―模様のちから―」(京都会場)
会期:2026年7月4日(土)~9月6日(日)
開館時間:10:00~18:00(金曜日は19:30まで、入場は閉室の30分前まで)
会場:京都文化博物館 4・3階展示室(地下鉄「烏丸御池駅」から徒歩約3分)
マリメッコといえば、やっぱり鮮やかな色使いと大胆な花柄「ウニッコ(Unikko)」を思い浮かべる人が多いと思います。

マリメッコといえば「ウニッコ(Unikko)」
でも今回の展示の面白さは、単に「かわいい柄を見るだけ」では終わりません。
デザイナーのアイデアがどのように生地になって、さらに長く愛されるデザインになっていくのか。
その裏側にあるものづくりやプリント技術までしっかり見られる展示になっています。
ここでは、実際に見て感じた「ここは絶対チェックしてほしい!」というポイントや、ちょっと見逃しがちな楽しみ方をまとめて紹介します。
1. 最初に見るべきは「完成品」じゃなくて「生まれる前のデザイン」
会場には、マリメッコの代表的なテキスタイルやドレスだけじゃなくて、デザインの元になったスケッチや原画も展示されています。
多くの人はどうしても完成した布や服に目がいきがちなんですが、実はここが一番おもしろいポイントです。


デザイン:マイヤ・ロウエカリ
小さな紙に描かれた線や形が、どうやって大きな布の柄になっていくのか。
原画を見ると、マリメッコのデザインってただの装飾じゃなくて、かなり計算された「構成」なんだなと分かります。
特に注目したいのは:
- 線の勢い
- 色の組み合わせ
- 柄の繰り返し方
- 余白の取り方
完成品だけ見ていると気づかない「デザイナーの意図」がじわっと見えてきます。
2. 一番おすすめは「印刷工程」の展示
今回良かったのが、スクリーン印刷の工程や印刷の版(プリント用フレーム)が見れたことです。

マリメッコの柄がどうやってプリントされていくのかを、映像で体験できるようになっています。
普段はバッグや服として完成品しか見ないけど、実際は
デザイン
↓
版の制作
↓
色を重ねる印刷工程
↓
生地として完成
というかなり細かい工程を経て作られています。

↑インクが入った樽とバケツ

↑印刷工程の映像
この展示を見ると、「あ、この柄ってちゃんと工場で作られてるんだな」と当たり前なんだけど改めて実感できます。
個人的にはここ、もう少し深掘りしても良かったくらい面白かったです。
- 実際の印刷版
- 色ごとの刷り重ねサンプル
- 試し刷り
- 工場で使う道具
それともう一つは、印刷機をモチーフにしたプロジェクションマッピングです。
多色のインクが重なり合って鮮やかな模様が生まれる、マリメッコの印刷工程。その制作プロセスをプロジェクションマッピングで可視化しています。

3. ドレスは「服」じゃなくて「布の使い方」として見る
展示されているドレスは、単に「かわいい!」で終わらせるのはもったいないです。
見るポイントはむしろこっち:
- 大きな柄をどこに配置しているか
- 裁断で柄がどう変わるか
- 動いたときにどう見えるか

同じ布でも、服になると全然違う表情になるのが面白いところです。

4. 見逃しがちだけど大事なのは「余白」
マリメッコって派手な柄のイメージが強いんですが、実は大事なのは柄そのものだけじゃありません。
むしろ「何も描かれていない部分」がかなり重要です。
- 色の配置バランス
- 柄と背景の関係
- 視線の流れ

こういうところを見ると、「ただ派手なデザイン」じゃなくて、ちゃんと計算されたデザインだと分かります。

5.会場での 混雑ポイント
一番人が集まりやすいのは、やっぱり印刷工程のプロジェクションマッピングです。
- 映像を見る人
- 写真を撮る人
- 通り抜ける人
が重なるので、時間帯によってはちょっと窮屈に感じることもあります。
空いている可能性が高い時間帯(おすすめ順)
◎ 平日 10:00〜11:30(開館直後)
◎ 平日 15:00〜17:00
○ 金曜日 17:00〜19:00
混みやすい時間帯
△ 土日祝
特に:
(11:00〜15:00)
お盆期間(8月中旬)
6. この展示ならではの楽しみ方
「好き・嫌い」ではなく「なぜ好きなのか」を探しながら見るのがおすすめです。
特に今回のマリメッコ展なら、次の鑑賞ポイントが面白いと思います。
① 「同じ柄」を別の角度から見る
同じ柄でも、
原画 → 生地 → 服
と姿を変えています。
「柄そのもの」ではなく、サイズや配置が変わると印象がどう変わるかを見ると面白いです。
② 「柄」ではなく「柄と柄の間」を見る
マリメッコは大胆な柄が目立ちますが、
- 柄同士の距離
- 背景の面積
- 色のない部分
- 視線が抜ける場所
を見ると、実はかなり「余白」を使っていることに気づきます。
③ 「これ、どうやって印刷したんだろう?」と考える
特に大きな柄を見たら、
「これを何色の版に分けたんだろう?」
と想像してみる。
その直後に印刷工程の展示を見ると、完成した柄と製造工程が頭の中でつながります。
④ 「古いのに古く見えない」デザインを探す
年代の違うデザインを見比べて、
「これ、今売っていても違和感ないな」
と思うものを探してみるのも面白いです。
マリメッコは、流行を追うだけではなく、何十年経っても成立する柄を生み出しているところにもあります。
⑤ 「自分なら何を製品にする?」と考える
これも結構楽しいです。
「この柄なら服よりカーテンが似合いそう」
「これは椅子の張地にしたら面白そう」
「この柄は大きな壁面に使ったら映えそう」
という具合に、柄を建築・家具・プロダクトに置き換えて想像する。
そうすると、単なるファッション展示ではなく、空間デザインとして見えてきます。
⑥ 最後に「今日一番好きだった柄」を1つだけ決める
全部見終わったあと、
「結局、一番好きだったのはどれ?」
と自分に問い直してみる。
そして、その理由を
色が好き
↓
線が好き
↓
余白が好き
↓
全体のバランスが好き
のように少し掘り下げてみる。
これをやると、展示を「たくさんの柄を見た」で終わらせず、自分のデザインの好みを発見することができます。
まとめ
「マリメッコ展 模様のちから」は、美しいテキスタイルやファッションだけなく
その背景にある、
- デザイナーの発想
- プリント技術
- ものづくりへのこだわり
- 暮らしを彩るデザイン
を感じられる展示です。
特に注目したいのは、原画から完成品へ変化していく過程。
柄の美しさだけではなく、「どう作られているのか」という視点で見ることで、マリメッコの魅力をより深く楽しめる展覧会でした。
マリメッコのプリントが常に新しいのは
どんな色に対しても決してノーとは言わないカラリストがいるからだ
そんなカラリストは他では見つからないだろうMarimekko(マリメッコ)の創業者:アルミ・ラティア
展示空間について感じたこと
平日の午前中に訪れましたが、一部の展示エリアでは少し窮屈に感じる場所がありました。
来場者が多すぎるというより、展示配置と人の動線による影響が大きいように感じます。
特に印刷機のプロジェクションマッピングは人気があり、人が集まる場所と、ほとんど人がいない場所の差がありました。
映像を見る人、写真を撮る人、次の展示へ移動する人が同じ場所に集まってしまうため、通路が狭く感じられる場面もありました。
展示では作品そのものだけでなく、「人がどう動くか」という空間設計も重要だと感じました。
もう少し大きな空間で見てみたかった
例えば、より大きな展示空間であれば、
- 巨大なファブリック展示
- 柄の中を歩くような空間演出
- 工場工程を体験できる展示
- 映像と実物を組み合わせた展示
など、さらにダイナミックな表現もできたのではと思います。
もちろん、広い会場を使えば良い展示になるわけではありません。
しかし、マリメッコのように「模様」そのものが魅力のブランドでは、作品との距離や余白が、鑑賞体験を大きく左右すると感じました。
マリメッコ展のチケット購入方法
チケットは
京都文化博物館の公式オンラインチケット、
アソビュー!
各種プレイガイド、
などで購入できます。
料金は一般2,000円で、購入方法による大きな価格差はありません。
スムーズに入場したい場合は、事前購入がおすすめです。


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